父が他界したときのことです。 我が家はごく普通のサラリーマン家庭で、多くの財産があったわけではありません。また、父も、喪主はどうしてほしい、とか、葬儀はこうしてほしい、とか、遺影はこれ、とかの要望は、元気なころに発言していましたが、財産については、どうしてほしい、ということは何一つ言い残していませんでした。そういったことから、法律にのっとって処理をすればよいのでしょうけど、今後の生活について不安に思っている母の顔を見ると、私たち姉妹は相続を放棄しよう、ということになりました。
そこで、普通ならば、どうすればよいのか、皆目わからないので、弁護士さんなどにご相談をするべきことでしょうけど、大した財産もないから、自分たちでできるのではないか、と考え、いろいろと調べながら、書類を作成しました。
作成した書類は何度か母が法務局に出向き、指導をいただき、修正をして、という作業は必要でしたし、少々父の生まれが複雑で、婿養子であったことや、母も、家庭が複雑だったことから、書類は多く必要にはなりましたが、なんとか自分たちで処理をすることができました。
私たちの場合、母は時間的余裕がありましたので、なんども法務局に足を運ぶこともできましたし、たいした財産もなかったので、弁護士さんに依頼することなく、自分たちでできましたが、もう少し複雑になると、私たちの手にはおえなかったのではないか、と思っています。