ブラック農家はイエスマン以外はクビ

これはある法人農家に勤務していた時の話です。そしてそこは噂に違わぬ労務関連の法律なんて完全に無視のブラック企業、ブラック農家でした。
私がその農家にパート勤務が決まったと話したら、ほとんどの人が苦笑い、もしくは忠告してくれました。子育て中だったこともあり、融通の利く仕事といえばそこくらいだったので、周りの意見が気になったものの、ためしに働いてみる事にしました。

社長は天真爛漫でお調子者の農家の青年というキャラで一見好青年。けれど実際は陰湿で疑心暗鬼な人間だったのです。いつも誰かをターゲットにしては、陰湿な嫌がらせや言葉でのパワハラを繰り返していました。最終的には勤務時間を週1日2時間だけに大幅に減らし、自主退職をさせるというものでした。さらに、会社の行事などにも気に入らない人間には声を掛けない、社長自らのミスも社員に押し付ける、お気に入りのメンバーにだけボーナス支給などやりたい放題でした。

私も嫌われてはおしまいと仕事を頑張った結果、みるみる昇進。任される仕事もどんどん増え、責任ある仕事も任され部下もいました。当時その会社では、そういった勤務形態は私が初めての試みでした。けれどなぜか他のパートさん達と全く給料が同じなのです。社長に「昇給の為の試験や指標はありますか?」と聞くと態度が一変。「お前なんか他のパートと同じ仕事しかしてないんだから給料なんか上がるわけない。そっちがその気ならこっちも考えがあるからな。」と、いきなり私へのパワハラが始まったのです。それまでは他のターゲットのパートさんが暴言を吐かれていたのに、急にその女性にニコニコと話しかけるようになったのです。同じタイミングで私への社長による恒例の自主退職へ持ち込むシナリオが始まりました。いくら仕事で良い結果を出しても暴言、無視、勤務時間を大幅に減らされ、1か月後に辞めて下さい、と自主退職するよう言われました。